続・希 Keyboard 夜話

第二夜「新しい波」

 2018年のとある日、「親指シフト」に関して検索していると Google に引っかかってきたのは、経済評論家の勝間和代氏のブログであった。そこで「かえうち」という製品を知った。

 「かえうち」とは、PC(スマホ)と USB キーボードの間に噛ませる USB デバイスである。キーボートから出力された信号を別の任意の信号へ書き換える、いわばキーボード翻訳機である。PC(Mac, Windows, Linux)で細かな(本当に自由自在に)設定を行い、その設定ファイルを「かえうち」に書き込むことで、世界にひとつだけの自分専用配列のキーボードを作り出せる。

 これは「親指シフト(その他数多の特殊配列キーボード)」愛用者にとっては、まさに夢のようなデバイスである。

 これまで特殊配列キーボード使用者は、ソフトウェア・エミュレートを使用し、常にOSとの互換性に気を使ってきた。OS のバージョンアップ、またはエミュレータの開発終了によって、いつ使えなくなるかわからない不安を抱えていたのだ。それがこの「かえうち」を間に噛ませると、様々な USB キーボード(さらに変換アダプタを噛ませば ADB や PS2 も)が自分専用のキーボードになる。今までセキュリティの問題でソフトウェア・エミュレータをインストール出来ず、職場では強制的にローマ字入力を使用せざるをえなかった人々も、「かえうち」を使えば、自宅の文字入力環境をそのまま再現できるのだ。もう OS やバージョンの違いを気にする必要はない!

 正に夢の環境!

 そして希にとって最も重要なのは、iOS (iPhone, iPad) 端末に有線で繋げば、今まで諦めていた iOS での「親指シフト」入力や、独自のショートカットキーを使用した文書入力が実現できるのだ。

 iOS 端末ではシステムのセキュリティのため、Bluetooth を含む外部物理キーボード使用時は、強制的にデフォルトの漢字変換キーボード使用となる。つまり「親指シフト」配列も「独自のショートカットキー」設定なども無理。さらにキー配列が US 配列で認識されるため、JIS キーボード等での記号入力が、キートップの表示とは一部変わってしまう。

 そこに(Fn以外の)全てのキー配列を自在に定義できる「かえうち」の登場である。

 「かえうち」は 2017年に “kibidango” にてクラウドファインディングを行い、達成率 780% で成功させた製品で、希はキーボード業界で(ニッチではあるが)このような激震が起きているとは、全く知らずにいたのである。

 もちろん早速注文した(笑)

 常時〝在庫切れ〟状態で、現在製造中のものが発送されるまで、どっしり構えて待つことにした。

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