ただし希の設定では “Control + 英字キー” で希専用の動作をさせるため、さらにカスタマイズを行わなければいけない。設定アプリで Control キーを押したとき専用のページを決めて、最低限の配置を決めた。
※かえうち設定画面
そのまま Mac のキーボード設定を一時的に OFF にして、Mac での入力テスト。「親指シフト」も “Control + 英字キー” もスイスイ打てる、ということはキーボードと「かえうち」を持ち歩けば、どんな Mac, PC でもこのまま特殊な配列の、希専用キーボード環境を携帯できるということだ。職場の PC も、娘の Mac も、友人のノート PC も、家の Mac と同じように操作できるのだ!
「HHKB Type-S」は本体に mini USB 端子があるので好きな長さのケーブルが使えるが「HHKB Lite2」は太っくて 2m もの長さの USB ケーブルが直付けである、iOS 端末との連携を考えるとキーボードの携帯性は絶対条件、ただでさえフルピッチのキーボードはサイズ自体が大きい、さらに 2m の極太ケーブルは致命的だ。そこでまた「HHKB Lite2」への改造を画策した。
またしてもキートップを外し、洗濯ネットに入れで全部洗う。本体カバー、キートップ共に、プラスチック特有の経年劣化による黄ばみがあったため、漂白しようと Google 先生に聞いてみると、酸素系漂白剤を溶かした水につけ込み、一週間から10日ほど〝紫外線〟に当てろと言われたが、面倒くさいので止めた(笑)
さて 2m もあるケーブルであるが、基盤の接続部で切断した、そして現在使用していない少し細目の USB ケーブルをぶった切り、内部でハンダ付けした。これで直付けではあるがケーブルを 30cm 程に短くすることが出来た。
2018年のとある日、「親指シフト」に関して検索していると Google に引っかかってきたのは、経済評論家の勝間和代氏のブログであった。そこで「かえうち」という製品を知った。
「かえうち」とは、PC(スマホ)と USB キーボードの間に噛ませる USB デバイスである。キーボートから出力された信号を別の任意の信号へ書き換える、いわばキーボード翻訳機である。PC(Mac, Windows, Linux)で細かな(本当に自由自在に)設定を行い、その設定ファイルを「かえうち」に書き込むことで、世界にひとつだけの自分専用配列のキーボードを作り出せる。
これまで特殊配列キーボード使用者は、ソフトウェア・エミュレートを使用し、常にOSとの互換性に気を使ってきた。OS のバージョンアップ、またはエミュレータの開発終了によって、いつ使えなくなるかわからない不安を抱えていたのだ。それがこの「かえうち」を間に噛ませると、様々な USB キーボード(さらに変換アダプタを噛ませば ADB や PS2 も)が自分専用のキーボードになる。今までセキュリティの問題でソフトウェア・エミュレータをインストール出来ず、職場では強制的にローマ字入力を使用せざるをえなかった人々も、「かえうち」を使えば、自宅の文字入力環境をそのまま再現できるのだ。もう OS やバージョンの違いを気にする必要はない!