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次の日の子供達の騒ぎようといったらなかった。雪ちゃんのお父さんが雪ちゃんのお見舞いに来たのだ。なんでも、仕事の都合をつけて、なんとか午前中だけ仕事を休ませてもらったということだった。子供達はまるで昨日のJ君の話が本当になったといわんばかりに騒ぎまくっていたのだった。雪ちゃんのお父さんが帰った後、子供達はどっとこの病室に転がりこんで来た、昨日のJ君の話の続きを、さっそく聞こうということらしい。
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(きのうの続きだったね)
次の日、雪ちゃんのおとうさんがお見舞いに来てくれました。ながれ星が願いを叶えてくれたのでした。
雪ちゃんはびっくりして、病室のみんなにながれ星のことを話しました。みんなびっくりして、僕も願いごとをかなえてもらうぞ、私も願いごとをかなえてもらう、とその夜はみんなこっそりと看護婦さん達に見つからないように起きていました。雪ちゃんは夕べずっと起きていたので今日は眠くてしかたありません、とうとう一人で眠ってしまいました。ほかのみんなも一生懸命起きていようとしましたが、さっちゃんもひろし君もゆうき君もとうとう眠ってしまいました。
五郎君は一人で起きていると、そっと窓のところまで行き、カーテンを開けると、じっと空を見上げながらながれ星を待っていました。ふいにキラキラと輝くながれ星が空の上の方に見えました、五郎君はすぐに……、
(五郎君、きみの願いごとは?)
(ぼ、ぼくケーキが食べたい)
(ハハハ、五郎君て食べることばっかり)
──と、これはさっちゃん──
五郎君はすぐに、
「ケーキが食べたい、ケーキが食べたい、ケーキが食べたい!」
と唱えました。
五郎君は、ながれ星に願いごとも唱えたし、もうとっても眠くなっていたのでベッドのところまでもどりました、するとベッドの上にケーキが一つ置いてあるのです。五郎君はびっくりしましたが早速ペロリと食べていまいました。
(クスクス)
(アハハハ、五郎君らしいや)
その次の日は、もう五郎君のケーキの話でもちきりです。みんな、いいな、いいな、とさわいでいます。よし、今度こそはと、さっちゃん、ひろし君、ゆうき君の三人ははりきっています。
その日の夜、雪ちゃんはもう願い事を叶えてもらったので安心して眠っています。五郎君も願い事を叶えてもらったのですが、どうしてももう一個ケーキが食べたかったので、頑張って起きていることにしました。
四人は、付き添いのおかあさんたちが寝たのをみて、窓際へいってじっと流れ星があらわれるのをまっていました。しかし五郎君は、前の日にあんまり寝てなかったのでつい、うとうとと眠ってしまいました。
子供達は三人になったけれども、みんな必死に流れ星を待っています。
(さあ、そろそろ時間だね。続きはまた明日、次は一体誰の願い事が叶うんだろうね?)