時空の狭間に


 幾億もの輝きに包まれて
 遥かなる時空の彼方から僕等を見下ろす光たち
 天空の河の中にも その岸辺にも
 幾十億もの時を渡り
 暗黒の世界の旅の果てに
 この大宇宙のほんの小さな一点
 僕の瞳の水晶体の表面にまで
 たどり着いた一つの光子
 過去からの贈り物

 今この時に
 存在しているのかさえも定かでない
 一つの太陽から放たれた過去からの手紙
 その一通の手紙に見せられて
 遥かなる宇宙の過去と未来に魅せられ
 長大なる時間の旅に
 さまよう一個の人間の心
 その心の広大さこそ謎
 人の心の中に存在する宇宙
 永遠に近い過去まで遡り
 終わらない未来にまでたどり着ける心

 この果てしない星々の海の中に
 今この瞬間に
 時空の彼方に想いを馳せる僕等と同じように
 暗黒の空を見上げる者達が
 きっとどこかで息づいていると
 そう確信出来るようになるのはいつの日か
 幾百億もの時を隔てて
 この瞬間にも僕等に語りかけてくる
 限りない天の瞬きに
 祈りをこめて


   31,July 1996

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