ここまでは良いのだが、文書の作成は日本語入力だけでは済まない、文章の編集を行う必要がある。ということは編集しながら、文章の訂正に適宜日本語入力が必要、編集・入力の同時進行ということで、編集中もキーボードのホームポジションから指を離したくない。しかし使用していたワープロソフト(M$の統合ソフト)には気の利いたショートカットもなく、カーソルキー“かちゃかちゃ”である。マウスが使えるのが唯一の取り柄のようなソフトだったのだが、希の指は文書の作成中において、常にホームポジションに居座りたがっていたのだ。
日本語入力の次は、編集作業のショートカットキーだ!
ということで WXP との同時使用で、操作に違和感のないソフト……。選んだのは「VZ editor」だ!
※まさか残っているとは……
この「VZ editor」は本来プログラムを書く為のソフトだが、日本語入力 FEP と組み合わせれば、日本語文書も作成できる。
「VZ editor」の特徴としては、当時数万円はしていたテキストエディタが 9,800円で手に入るという手軽さ、海外のワープロソフト WordStar(現在も古い PC を使い、このソフトで執筆を続けている海外作家がいるそうである)のショートカットを模した配列、ゲームが作れるほどの複雑なマクロが組める、とにかくプログラムが軽い軽い、システムに常駐し Esc キー一発で瞬間起動したり、膨大なバッファによる無限アンドゥ、ファイルの操作が自由自在なファイラー機能、しかもマクロで機能を改変・追加(というか「VZ editor」はほとんどの機能をマクロで実装していた!)、キーボードショートカットの定義も全変更化と、とにかくフリーダムなソフト。
「WXP」と「VZ editor」の組み合わせ。これでファイル操作も含めて、「DynaBook」のほぼ全ての操作を、両手をホームポジションに置いたままコントロールできるようになった。