創作詩

ゆたゆたと流れるものよ


ただ軟らかく柔らかく

逆らうことなく
足掻(あが)くことなく

穏やかな
また嫋(たお)やかな

時間(とき)の水精(ニンフ)の
誘(いざな)うまゝに


心ひとひら

波の上


たゆたう流れに
押されながらも
全てを任せ
つーっと滑って
行くのもいい

水鏡はゆらぎ
決して同じ景色を写さない

息をひそめて見上げる空は

麗(うらら)かなる陽光
白と黒の激しい光
時には曇に覆われり
雨の雫も滴(したた)らす
紅葉(もみじ)、銀杏(いちょう)を降り散らし
粉雪、綿雪、牡丹雪
水面氷らす凍てつく日々も

また流れ去り
何れ帰り来たるだろう