創作詩

裸の自我


目の前で
一枚づつ薄衣を剥ぐように
その度ごとに
ひとつひとつ世界が色づく

その場を満たす香りは
むせ返るほどに男を包み込み

見えてきたのは
今まで知ることのなかった
自分自身の
もうひとつの姿だった

孤独で
傷つき
一糸まとわず
暗い森の中にうずくまる

恐怖と
獣にむさぼられることへの期待?

人は死を賭しても
何者かと繋がっていたい存在なのか?

自身の存在よりも
他者との関係が自我・・・